(´;ω;`)ブワッ


by nakieiga
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防犯カメラ屋が観た『デジャヴ』

ジェリー・ブラッカイマーがプロデューサーということで、地雷覚悟で観に行ったが、どうしてどうして、なかなか楽しめる作品だった。

水兵とその家族500人以上が乗るフェリーが爆破テロに遭う。ATF(アメリカ財務省アルコール・煙草・火器局)の捜査官ダグ(デンゼル・ワシントン)はその手腕と、同僚の復讐を果たしたいという強烈な動機を買われ、最高機密に位置づけられた監視システムを使った特別捜査班に招かれることとなる。

白雪姫──それが監視システムに与えられたコードネームだった。衛星から送られてくる監視データを常時蓄積し、4日と6時間前の映像と音声を再生できる。ジャスト4日と6時間前。見たい場所ならたとえ壁をすり抜けても見ることができるが、膨大なデータを処理する制限のため、巻き戻しも早送りもできない。適切に使えば事件に至るプロセスを正確にトレースできるが、そうでなければ高価なのぞき趣味の道具になり果ててしまうシステムだった。

事件直後、女性の不自然な水死体が発見された。テロの被害者に見せかけられていたが、死亡推定時刻は事件より2時間前。デンゼル・ワシントンは彼女が事件に何らかの関わりがあると判断、「白雪姫」を駆使して4日と6時間前からの彼女の足跡を、確実な死へと向かう彼女の最後の日々を追いかけるのであった。

このまま煮詰めていっても面白い話になりそうだし、個人的にはそのほうが好みだが、物語はこの後、急展開を遂げる。

画面情報からだけでは判断しづらいこともあり、解釈の分かれるところだが、あまり小難しいことは考えず、見たまんまを楽しめば良い作品だと思う。事実というのは可能性の一つに過ぎないわけなんだから。

本作の中で、防犯カメラシステムがいくつか登場する。「白雪姫」は置いておくとして、容疑者とおぼしき男性が持っていたバッグからデータベースにアクセスし、同じバッグが映っている録画データを検索するシステム。台詞でも少し説明されていたが、これは「顔認証」というシステムで、この技術自体は確立している。入力映像から「顔」を選択し、データベースにある顔情報と一致点を探し出し、一致すればアラートする(入退室管理の場合はその逆)というシステム。

ただしそれをバッグでできるかと言えば、バッグのデータベースを事前に作成しておかなければならず、そんなことは現実には不可能だ。

昨年あたりから防犯カメラ業界ではIVS(インテリジェント・ビデオ・システム)が本格運用され始め、主に空港などで導入されている。これは前述した顔認証だけではなく、フェンスをよじ登ったり、境界線を越えて進入しようとしたり、オブジェクトの置き去り/持ち去りを検知するもの。ライブでアラートすることもできるし、条件をフィルタリングして録画ファイルを検索することもできる。現実が映画に追いつきつつある。

ちなみに現在は「デジレコ」と呼ばれるDVRにその機能が盛り込まれているが、カメラ本体がサーバー機能を持つようになり、負荷分散型のシステムも登場している。ネットワーク・カメラの分野ではPanasonic、CANONの後塵を拝していたSONYが、このIVをいち早く取り入れた(実用的かどうかはさて置く)。

また、録画ファイルを拡大して鮮明な画像が表示されるシーンが、この映画に限らず少なくないが、殆どの防犯カメラは38万画素であり、どれだけ画像補正しても鮮明になりようがない。最近ではメガピクセル・タイプのネットワーク・カメラが登場しており、これならば映画のようなシーンもあり得るが、当然データのトラフィック量が大きくなり、フレームレートが低下する。この分野でもアメリカは進んでおり、TCPではなくUDPを使い、同時アクセス数の制限はあるが、高画質・高フレームレートを実現している。これなら、映画のように録画ファイルを拡大しても鮮明な画像が得られる。これも現実が映画に近づいている例。
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by nakieiga | 2007-03-25 11:10 | 映画