(´;ω;`)ブワッ


by nakieiga
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カテゴリ:読書( 13 )

映画『ザ・グッド・ジャーマン』の原作。

主人公は従軍記者のジェイク。取材のため、ドイツ降伏直後のベルリンに入ったが、ジェイクには他にも目的があった。それは戦前、ベルリン駐在中に不倫していた女性レーナを探すこと。しかしベルリンは爆撃やら砲撃やらで廃墟と化しており、ソ連軍の進駐によって街は混沌のきわみにあった。そんなわけで、簡単にはレーナは見つからない。

そうこうしているうちに、ソ連軍が封鎖しているポツダムで、何故かアメリカ兵の死体が見つかる。しかも彼は多額の現金を持っていたのだ。

ベルリンへのフライトで同じ飛行機に乗っていたその男の死に疑問を抱いたジェイクは、真相を探るために取材を開始、その過程でレーナを見つけたり、ドイツ人の所業とアメリカがしていることの狭間で悩んだりする。

何とも浅薄な話で、うーん、これなら映画を観に行くのはやめておこうか。その浅薄なところがいかにもアメリカ人らしいとは言えるのだが、同じベルリンを舞台にしたフィリップ・カーの作品群のほうが重厚感がある。こちらはイギリス人。人間の業の澱が溜まったベルリンを感じさせてくれるのに対し、本作はその上澄みを見せてくれるだけ。ジェフリー・カーヴァーの『獣たちの庭園』もそんな感じだった。軽いタッチでは読めるけど、それだけ。

原題の『ザ・グッド・ジャーマン』は「模範的なドイツ人」と訳されていたが、そうなんだろうか? 「良いドイツ人は死んだドイツ人だけだ」という言葉があるが、そっちじゃないかと思う。あるいは、その両方か。それと言うのも本書では2回、「ザ・グッド・ジャーマン」の表記があり、最初のそれは「死んだドイツ人」の意味がふさわしい。そうすると2回目に出てくる「ザ・グッド・ジャーマン」が、その言葉を口にするのがどういう人物であるかということを踏まえ、今度は「模範的なドイツ人」という意味として捉えると、実に皮肉が利いた内容になってくる。そしてそして、そうなってくると、ジェイクがいちいち腹を立てる(これがまあ、青臭く思えるわけだけど)物語の根幹に関わる話も、アイロニーを帯びるというものである。

★★(フィリップ・カーを読みたくなった)
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by nakieiga | 2007-03-29 13:29 | 読書
インフルエンザが流行っていることもあって、マーケット・プレイスにて半額で購入。

1918年、第一次世界大戦を終結させる引き金になったとも言われる「スペイン・インフルエンザ」。それがどのような経緯で発生、そしてアウトブレイクし、人類はウイルスにどう立ち向かっていったのか、詳細を告げるノンフィクション。

てっきり中国辺りが発祥かと思ったら、アメリカの農村生まれ。当時のアメリカでは、農民は家畜と一緒に暮らしていたのだ。

本来ならその限られた地域で終息する筈のインフルエンザだが、アメリカが第一次世界大戦に参戦したため、インフルエンザに罹患した若者たちが国のあちこちのキャンプへ行った。キャンプと言えば、不衛生で、人が大勢集まる場所だ。かくしてインフルエンザはアメリカ国内で牙を研ぎ、部隊がヨーロッパへ派遣されると、そこで一気にアウトブレイクしたというわけである。

アメリカ産なのに何故「スペイン・インフルエンザ」なのか? 当時、大国は戦争状態にあり、国内の不利な情報をオープンしようとはしなかった。中立国であったスペインの新聞が、フェルディナント国王がインフルエンザで重篤な状態にあると報じたことがきっかけとなり、世界的に流行したこのインフルエンザは「スペイン風邪」と呼ばれるようになったのである。

各章の終わり方が「驚愕の事実はCMの後で!」といったノリなので、ひょっとすると原文は読み物としても楽しめるものかもしれないが、直訳調なので少し読み辛い。

最後に最近のインフルエンザ事情についても述べられており、話題のタミフルについての記述も少しだけあった。ウイルスが取り付いた細胞を攻撃した後、別の細胞へ移ろうとするのを防ぐ役目をするのがタミフルなんだそうだ。そう説明されるとインフルエンザに効くというメカニズムがわかる。で、それと同じ働きをする何とかという吸引薬もあるそうだが、こちらは副作用はないんだろうか。

と思って少しググったら見つかった。吸引薬の名前は「リレンザ」。

●新インフルエンザ治療薬、健康保険適用の不可解
●タイムリーな勉強会(堕天使の呟き様)

リレンザ」、忘れないようにしよう。

★★(拾い読みでOK)
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by nakieiga | 2007-03-26 11:12 | 読書
『ケインとアベル』とか『百万ドルを取り返せ!』なんて、面白かった記憶があるんだけどなあ。どんな話だったかは思い出せないけれど。

ルーマニア出身の美人美術コンサルタントが主人公。没落した旧家に金を貸す→返せなくなるとその家の美術品を収奪する、を繰り返している悪徳銀行家と世界を股にかけて戦う話。何だシドニー・シェルダンか、と思ったあなたは聡明。何とも軽佻浮薄な話だった。それでも最後まで読ませるのは、作家としての技量が優れているということだろう。

もう新作を買うことはないけど。

(壁)
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by nakieiga | 2007-03-20 14:39 | 読書